陳情書 補足説明

(以下、子ども文教委員会で行った補足説明の内容となります。)


この度は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。

私は一区民として、地域の子ども施設の計画、区の進め方については、かねてより疑問に感じてきました。


日本は、1994年に「子どもの権利条約」に批准しており、これは全ての国内法の上位に当たるということは言うまでもありません。しかし、そうであるにも関わらず、2006年「新しい中野をつくる10ヵ年計画」に始まり、「10か年計画第2次」「第3次」が策定される中で、いくつかの児童館が廃止。


そして、2020年 「中野区区有施設整備計画」、2021年 「児童館廃止条例」、2023年にお示しになりました「地域子ども施設の整備・事業展開の方向性」。これらの変遷の中で、計画について子ども達への分かりやすい説明と意見聴取、そして子どもたちの意見が施策に反映されるといったことがありましたでしょうか。


地域の大人の皆さまや、現場の児童館職員の皆さまのご意見には、耳を傾けてくださったかもしれません。しかし、たとえば、「あっちの児童館には怒鳴る先生がいるから行きたくない」とか、「ここがなくなったら困る」といったような子どもたちの声は、行政の大人の皆さまに届いていましたでしょうか。


この間、2022年4月には「中野区子どもに関する権利条例」が施行されています。素晴らしい条例だと区民は喜びました。そして、国では、今年4月、子どもの権利を保障していくための国内法として「こども基本法」が施行されています。


そして、現在、児童虐待数の増加、学校に行きづらくなっている子ども達のこと、貧困に関することなど、子どもたちの課題が複雑、かつ複合化していること、また学童クラブの需要が増加傾向にあるという状況の変化を、所管職員の皆様が的確に捉え、中野区の地域子ども施設の新たな展開として、多様な居場所づくりに取り組むとして、児童館を一部廃止していくという方針を改められたことは、地域の子ども達を見てきた者の一人として大変歓迎しております。


私は既に「児童館」が廃止された地域に住んでおりますが、児童相談所の介入中にあるご家庭のお子さん達が、安心安全の居場所を求めて、私の自宅を連日訪ねてきてくれるといった経験があり、家と学校以外の多様な居場所、またそこが常設であることの必要性を切実に感じております。


これから、今後の計画策定、また児童館の運営はどのようにすべきかなど、意見交換が始まると思います。ご報告の中にありましたのは、区の方針として「子どもを含む区民の意見を聴取」とのことでした。しかし、「児童館」は児童の権利に関する条約の精神に則った「児童福祉法」を根拠としていますので、その利用主体は「子どもたち」である、ということを明確に区民にお示しいただくためにも、「児童館の主役・主語は子どもである」ことを、方向性として確固たるものにしていただきたく思います。


子どもたちへの意見聴取にあたりましては、これまで「中野区子どもに関する権利条例」や「子ども総合計画」策定の際に、丁寧な工夫がされましたように、子どもにとって分かりやすい資料と、分かりやすい説明を、くれぐれもお願いしたいと思います。


そして、日々成長し続ける子ども達の育ちを守る環境整備に、二の足を踏んでいる時間的な余裕はありません。保護者の視点からも、地域に充実した「多様な居場所」が整備されていることは、子育てや仕事を安心して出来ることにつながり、就学のタイミングで転出超過となっている区の現状の課題を改善する一助にもなりうる、と考えます。早急な実現をお願いしたいと思います。


最後に、2021年の「児童館廃止条例」が否決となったこと、また、子どもの権利擁護推進委員会の皆さまが「中野区子どもに関する権利条例」施行に繋がる、すばらしい答申を作ってくださったこと、いづれも「子どもの権利を保障しよう」という区議会皆さまのご意志の賜物であると理解し、感謝申し上げ、この度の陳情のご説明とさせていただきます。


ご清聴ありがとうございました。

まるも あさみ の活動記録です。

まるもあさみ@【育ち合い・支え合うまち中野】こどもに寄り添う街づくり こんにちは、まるもあさみです😊 地域活動で出会った子ども達や困っている方の声を区政に届けるため、2023年、統一地方選挙に挑戦することを決断しました。どうぞよろしくお願いいたします‼︎ #中野区 #子育ち #子育て

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