夕方、地元の商店街のバス通りを自転車で帰宅中のこと。
若い女性がしゃがみ込んで、排水溝に次から次へと何かを捨てている。
あれ?と思い、振り返って見ていると、捨てているのはどうやら新品のマニキュア。しかも大量で、排水溝はすでに満杯になっている。
寒空の下、肘まで上着がまくられている女性の腕には、タバコ?を押し当てた跡で真っ黒になっていた。とっさに”自傷行為?”と思う。
心配になり「大丈夫?排水溝つまっちゃうから、おばちゃん預かって捨てるよ?」と声をかけると、「あ、、じゃあ。」と言って、私の手のひらにポンっと赤いマニュキュアを渡してくれた。マスクをしていても顔に傷があるのが見えた。
女性はさっと立ち去ろうとしたけれど、気になって後ろから付いて行きながら、大急ぎでメモに自分の電話番号を書き、初対面では無理かもしれないと思いつつ「何かあったら、いつでも電話してね。」
と渡そうとすると、女性はカバンからスマホを取り出し、遠巻きから私を動画撮影する素振りを見せ、ん?と思った次の瞬間「ストーカーでーす!助けてくださーい!ストーカーでーす!」と大声で叫び始めた。
おっと、と思いながら「ストーカーじゃないよー!何かあったら電話してねー」とぶんぶん手を振ってみる。地元の駅前で、コントみたいなやりとりをしばらく繰り返し、最後、女性は「帰らなかったから負けーあははは〜」と笑いながら走って行ってしまった。
マニキュアは近くの交番に届け、気になる女性だったことをお伝えした。
今日、マニキュアが捨てられていた場所から近い薬局でふと思い出し訊ねてみると、最近マニキュアの万引きがあった、とのことだった。
万引きという行為は犯罪であるし、もし本当に出会った女性が万引きをしていたとしたら、擁護できる行為ではないけれど、どうして?何があったの・・・?と思う。
たくさんの根性焼きの跡、顔の傷、万引き。
困ったと思われる人は困っている。おとなもこどもも同じと思う。
でも、その”困った”がうまく言えないんだよね。
みんな最初は赤ちゃんで、泣けば誰かに抱っこされてたはずなのに。
いつからか、”ささえて欲しい”と言えなくなってしまう。
もしかしたら、勇気を出して言ってみた結果「自分で」と言われてしまったのかもしれない。
人対人は、おいそれとは行かない。どれだけ時間が必要だろう。
その人が何かに傷付いていたら、時間は更に更に必要だ・・・。
あのような対応で良かったのか、という自身の振り返りをしつつ。
女性が、信頼出来る誰かに繋がっていて欲しい。
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